発達障害スキル

発達障害ライフスキル認知行動療法の問題解決法とは【自己分析と行動実験】

みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。

本日は認知行動療法の技法のひとつである問題解決法について紹介します。

認知行動療法の問題解決法とは?

問題解決法とは、生活の中にあるさまざまな悩みや困り事を「問題」として目に見える形で整理をして、解決するための考え方と方法を習得するという技法です。

何か問題がおきた時に、目をつむったり、問題を避けたり、回避的な行動パターンを取らずに、何か問題解決を試みていくことです。

こう書くと堅苦しくてめんどくさそうです。

わたしは問題解決法は「行動実験」だと思っています。

「自己分析をして、自分をうまく操るにはこんなシナリオが良いのではないか?と監督「自分とカウンセラー」、脚本「自分とカウンセラー」、演出「自分とカウンセラー」、主演「自分」のシナリオを書きます。そして、自分自身なるべくしっかりと演じきる。という行動実験です。

うまく演じられる(問題解決)できれば、その行動実験は成功!

もし、演じきれなかった(問題解決)できなかったら、その行動実験は失敗!

失敗したからって落ち込むことはないです。はじめから成功する実験の方が少ないし、実験って失敗した時の方が学べることは多いものです。

自己分析が足りないのか、シナリオが良くなかったのか、どこがダメだったのかなと検証して、次のシナリオを書く。また、行動実験する。その試行錯誤こそ、問題解決法です。

実験は、ユーモアや探究心、ワクワクする心も必要です。それをカウンセラーとクライエントの共同作業でやっていきます。

実験計画表を書いたら、実験したくなりませんか?

うまいシナリオの台本を書いたら演じてみたくないですか?

そんな感じです。

認知再構成法と問題解決法の違いは?

認知行動療法の認知面(考え)にアプローチする方法が認知再構成法だとすると、行動面にアプローチする方法が問題解決技法です。つまり、認知再構成法は「どう考えたらいいのか」ということで、問題解決技法は「どう行動したらいいのか」ということです。

認知再構成法は、つらい状況に対して、ネガティブでやっかいな考え(自動思考)が出てくることで、ネガティブな気持ちや行動、考えとネガティブ悪循環に陥るパターンに有効です。しかし、現実的に解決しないといけない問題がある場合は、まず問題解決法を試した方が良い場合も多いです。

状況によるので、どの技法から試すべきかはカウンセラーなどと相談するのが良いかなと思います。

 

問題解決スキルとは?

具体的な手順はこんな感じです。

問題を理解する

まずは、問題を詳細に具体的に理解します。

問題に対する考え方のコツ

そして、問題に対してどう考えるのが良いのか、や有効的な考え方から使えそうなアイディアを頂戴します。

解決後のイメージや目標設定

そして、現実的で具体的な目標を設定します。目標をなるべく詳細にイメージすることで、イメージトレーニングにもなりますし、行動のリハーサルにもなります。

わたしがスポーツ選手にメンタルトレーニングをしていた時も、なるべく詳細に試合当時のことをイメトレしてもらいました。

問題解決の手段を検討

そして、問題解決の手段をブレインストーミング的に出し合い、その中から実際に使えそうなもの、効果がありそうなものを絞り込みます。

問題解決の計画を立てる

その材料を使って、完璧なシナリオを作ります。自分が何を考え、どう行動すればいいのか分かるように詳細にです。それを読めば、自分が全て演じきれるように。

起こりそうなトラブルも想定する

さらに丁寧にやる場合は、シナリオ通りに演じきる時に「起こりそうなトラブル」も考えてみます。

例えば、「会議でプレゼンテーションをする」というシナリオの場合は、「緊張で話す内容が飛んだ」「声が裏返ってしまった」というトラブルから、「パソコンの音が出ない」というトラブルも想定されるかなと思います。

そんなトラブルへの対処法も合わせて考えて置くとより、スムーズに行動実験できるかと思います。

行動実験をする

最後に、シナリオをもとに行動実験です。そして、実験したあとはちゃんと検証します。

 

こういった流れでやっていきます。

自分を客観視しつつ、好奇心を持って取り組めるようになると、問題解決への糸口が見つかったり、あとは現実的に可能なように、大きな問題は小さく細分化すること、具体的なイメージができるように、自分にしっくりとくるシナリオを書くことなどがポイントです。

それでは、今日は以上となります。